『珍妃の井戸』(浅田次郎/講談社文庫) ― 皇帝の寵妃の悲しい死
光緒帝の妃で、井戸に落とされて死んだ女性がいる。いつの頃知ったかは忘れてしまったけど、小学生の頃から西太后に興味があったので、その関連で知ったのでしょう。
蒼穹の昴4.5
本書は『蒼穹の昴』(浅田次郎/講談社文庫)の続編…というかサイドストーリーのような位置づけになっています。文庫本で言うと、「蒼穹の昴4.5」というようなお話。
『蒼穹の昴』に登場した人物や、登場はしなかったけれど描かれたストーリーの外側で生きていた人物が、それぞれの立場から珍妃の死について語ります。
各章それぞれの人物による語りがメインなので、好き嫌いもあるかもしれませんが、『蒼穹の昴』の世界にどっぷり浸かった方なら面白く読めることでしょう。
特に、春児と蘭琴に胸キュンだった方に強くオススメします。
珍妃の死の真相に迫るごとに、人の浅ましさや弱さがむき出しになり、しかしその中に儚くも確かに残った愛が胸を打ちました。
本書を読まずに『中原の虹』に進んでも大勢に影響は無いかもしれませんが、『蒼穹の昴』の余韻を感じられる1冊なので、ぜひ読んでみて下さい。
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