『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(東野圭吾/角川文庫) ― 複雑に絡み合うご縁の糸
こんばんは、扇町みつるです。
ここのところ『中原の虹』(浅田次郎/講談社文庫)を読んでいたのですが、3巻にきてちょっと疲れたので、休憩といってはなんですが『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(東野圭吾/角川文庫)を読みました。
好物の”時空を超える”モノ
私は、時空を超えたり死者と会えたりといったストーリーが結構好きです。
たとえば「世にも奇妙な物語」のラストのちょっとほろっと泣けるタイプのストーリーが好きで、今回何を読もうかと考えたときに、ファンタジー要素のあるものにしよう、でもバリバリのSFを…というほどではない。
そこで、演劇集団キャラメルボックスの上演作品の原作小説を調べてみました。それで見つけたのが『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(東野圭吾/角川文庫)です。
2〜3日くらいで読もうと思って読み始めたら…。
これは止まらないやつや〜!
結局ノンストップで読み続け、てっぺん超えた真夜中に読了しました。
それぞれの人生、過去と未来
本書は、ナミヤ雑貨店、そして丸光園という場所を中心に繰り広げられる物語です。同じ時に一堂に会するのではなく、おおよそ40年くらいの幅の中で邂逅しています。
私は一気に読んだのでそれぞれの人物相関を正確に把握した訳ではなく、読了後に劇場版のサイトの人物相関図を確認しました。
結構複雑なので、しっかり把握したい方は、時間をかけてじっくり読むのをおすすめします。
登場人物はそれぞれ人生の困難に立ち向かい、迷い、ナミヤ雑貨店にたどり着いて相談の手紙を書きます。
その手紙が時空を超えて…。
手紙のやり取りを経て、相談の答えを読んで考え、悩み、答えを出し、それぞれの道を選び歩き始めます。
それから何十年か経ち、相談をした人々が再びナミヤ雑貨店へ。
本書は5章で構成されているのですが、それぞれ独立した話になってはいるけど、各章が複雑に絡み合っています。
読み進めていくうちに、「あーっ!これがこの人か!」と気づいていくのが気持ちいいですね。
劇場版はまだ未見なのでぜひこちらも見てみたいです。
それにしても、これだけ複雑なつながりを描くのに、どうやってプロットを立てているのだろう。と思いました。それともプロットは立てずにいきなり書く天才肌なのだろうか…。
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