氷河期世代として一言申す
こんにちは、扇町みつるです。
今回の記事は読書のものではありません。
定期的にトレンド入りする”氷河期世代”
Twitterのトレンドに氷河期世代とあり、またかと思いました。
数ヶ月に一回はニュースで取り上げられ、Twitterのトレンドに入る。大体まぁどの記事も、
「正規職に就いていない氷河期世代はこんなにいる、引きこもりもこんなにいる。国は早急な対応が必要だ」
と記事にだけされてそれっきりというパターンです。
で、それに関するツイートをぱーっと見てみると、
「なにを今更」「20年遅いわ!」「俺らはどうせ棄民だし」
といった氷河期世代の怨嗟や諦めのものや、
「中年ヒキニートなんか使い物にならんやろwww」といった感じの他世代のツイート、あとは政治家っぽい人が国の責任を追求するツイートが並びます。
そのようなツイートがひとしきり投稿され、少しすると「氷河期世代」の単語はトレンドから消えていきます。
今回はこのようなニュースです。
要は「引きこもりの多い氷河期世代の高齢化による生活保護費増大を防ぐために、正規就労させるための支援プログラムを作ります」
といったところでしょうか。
まず、このタイトルを見て思ったのは、嗚呼、生活保護さえもこの先受ける権利が無くなるのね。
でした。
我ながらさすがに卑屈すぎるだろと思いましたが、これが正直な気持ちです。
これでは誤解されてしまうかもしれませんが、生活保護を受けさせろという意味では決してありません。
政府の集中プログラムでは、民間議員の提言に基づき、ハローワークや大学、経済団体などが連携する協議会を通じて支援対象者を把握した上で、具体的な数値目標も定めて減少させていく方向だ。就職氷河期世代の正規就労が進めば、厚生年金の加入で高齢期の所得が確保されるほか、生活保護の減少により財政が健全化。人材不足に直面する企業にとっても就職氷河期世代が大きな戦力となり、経済成長にも寄与する。
正規就労と言いますけど、45歳以上の人をリストラしている企業もあるというのに、アラフォーを正規採用してくれる会社なんてあるんですか?介護職ですか?親の介護でやっと通っている非正規職を離職せざるを得ない人もいるんじゃないんですか?そもそも
20年遅いでしょ????
やはりこれに尽きますね…。
仮にそのプログラムとやらで正規就労出来たとして、そのお給料で人並みに食べられるんでしょうか?介護が必要になった親を施設に入れられるのでしょうか。
生まれ時期のせいにするなと言う人もいるかもしれません。個人個人によってそれはまちまちだと思います。でも、バブル全盛期に就職した世代の人は、就職氷河期も同じように就職出来たでしょうか。そういうことです。
この方はあと10年か20年早く生まれていたら、こんな風にはならなかったのでは?
過渡期の壁に阻まれた世代
私が生まれたのは70年代中頃、幼稚園〜小学生の頃に「8時だよ全員集合」の志村けんと共に「♪〜カ〜ラ〜ス〜なぜ鳴くの〜」と歌い、小学校中学年の頃に男女雇用機会均等法、日航ジャンボ機墜落事故が起きました。同じ頃、初期のファミコン全盛期もありました。
高校に入ると「東京ラブストーリー」が放送され、トレンディドラマの時代が始まりました。少し上の世代がジュリアナで扇子振っていたり一万円札を振ってタクシーを待っているのを見ていた世代です。
都心住まいのませた子は、年をごまかして行っていたかもしれませんが。
ファッションに敏感なクラスメイトは、学校にヘアアイロンを持って行って逆立てていて教師に没収されたり。ちょうどバブルで景気がいい頃(終わりの方かな)の学生です。
女性の過渡期
女性もこれからはどんどん総合職に!などと言われ始めてはいましたが、まだまだ、高校もしくは短大を出て就職してOLになって、何年かしたら結婚する。そういう風潮が残っていた時期でもあります。
25歳になったら”クリスマスケーキ”、独身のまま30歳(当時はまだアラサーという言葉は無かった)になるなんてあり得ない!という考えもまだまだ現役でした。
その価値観が社会に出てから変わったんですよね。
結婚に逃げるな働けと言われて働いたら、卵子が腐るじゃないけれど、「卵子が老化する」年齢になっていた。
これは女性としての過渡期ですが、その他にはデジタル化の過渡期も就職時期に重なってきます。
デジタル化の過渡期
デザインの専門学校に行った友人がいます。その学校では当時パソコン(Mac)は1台しかなく、使用を申請しても在学中に触れたことは無かったそうです。おそらくアナログでの教育の最後の世代だったのだと思います。
就職活動の頃には景気も悪くなり就職の門戸も狭くなったことから、求められるスキルも高騰し、友人は就職活動に破れました。
私は、家電量販店が当時やっていた単発のパソコン講習を少しずつ受けながらパートで働いていましたが、当時(90年台中頃〜後半)頑張ってどうにかPhotoshopやIllustratorを使えるようになり、その会社で名刺作成(名刺用顔写真の撮影・加工、ロゴ作成も)の仕事をしていましたが、どんなに頑張っても、コピーしかしない、トイレを汚してばかりいるような(なぜか)正社員のオバサンと同等の待遇にはなりませんでした。
引きこもりとは言うけれど
あのニュース記事を読むと、どうもなんか、就職活動でつまづいてしまいそのまま引きこもりになってしまった人ばっかりのような感じもするのですが、そういう人はそんなに多くないと思うのです。
どうにか正社員になったけど、心が折れてしまい引きこもった人もいれば、非正規でどうにか食いついないで来たけれど折れてしまった人もいるでしょう。折れそうなギリギリのところで耐えている人もいる。
長年引きこもっていて社会との接点が無い人たちへの支援ももちろん必要ですが、理不尽な時代をどうにか耐えてギリギリで生きている人への救済もどうにかなりませんかね。
引きこもりという一言で済む問題ではないのですよ。
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