みつるの読書部屋

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『西南戦争』(小川原正道/中公新書) ― 「西郷どん」面白かったですか?

こんばんは、扇町みつるです。

「西郷どん」のもやもや

皆さんは大河ドラマを見ていますか?おじいちゃんやおばあちゃんは見ていたけど、全然見たことない〜という方も結構いらっしゃるかもしれません。

私は中学生くらいから大河ドラマを見てまして、俳優さんのファンになるきっかけはほぼ大河ドラマです。

ただ、毎年確実に、あ〜面白かった〜と満足出来るわけでもありません。最初は面白くても中だるみで見ない回なんかもあったり、そもそも作品のコンセプトが合わないこともあったりします。

ツイッターが登場してからは、実況しながら見るという楽しみも出来て、多少合わない作品でもツッコミを入れながら見るとこれが案外面白かったりします。

さて、今年の「いだてん」はツイッター実況する間も無いくらいテンポよく、笑っているうちに45分が過ぎてしまっていますが、昨年の「西郷どん」はコンセプトや脚本の構成、尺の割り振り方などあらゆる面において合わず、一時は見なかった週もありました。


ツッコミポイントを明確にするために

幕末については、どちらかというと幕府方贔屓なので、薩長などの新政府方についてはほとんど知識は無かったんですけど、西南戦争をたった1回で終わらせるというのは正直どうなの!?というモヤモヤがいつまでも抜けなかったので、『西南戦争 西郷隆盛と日本最後の内戦』(小川原正道/中公新書)を読みました。ドラマ本編でどれだけの事柄が省かれたのかを知りたかったのです(楽しく見てた方には申し訳ないです)。

本書は、西郷隆盛が政府の職を辞し、鹿児島に帰還したあたりから始まります。西郷下野、私学校の創設、士族たちの不満、蹶起、熊本城籠城、田原坂の戦い、転戦、そして終戦、その後の流れや後世の人に与えた影響などが書かれています。

特に戦の流れについてはかなり細かく書かれており、基礎知識がほとんど無い私には少々難しく感じましたが、「西郷どん」で覚えた人名が出て来るので、その辺はドラマのお陰でカバーされました。

 

幕末の基礎知識はあるけれど、西南戦争についてもっと知りたい方や、幕末から明治あたりの事を勉強している学生さんに良い一冊だと思います。

せっかく読んだので、同じ中公新書から出ている「明治六年政変」や「大久保利通」、「江藤新平」なども読むと周辺の知識が入るのかもしれません。今度これらも読んでみようと思います。

 

で、読んでみて感じたのは、まあドラマでは省かれていること省かれていること…。でも、蹶起の理由が曖昧だったり、戦の前線に西郷隆盛はほぼ出てなかったので、西南戦争を最初から最後まである程度細かく描くのは難しかったのかな、と。

でもやはり、桐野利秋は登場していたので、もう少し細かくやって欲しかったなというのが「西郷どん」というドラマに対する気持ちです。

 

おそらく、”私の見たかった西南戦争”というのは、里見浩太朗さん主演の「田原坂」なのかもしれませんね。

 

西南戦争―西郷隆盛と日本最後の内戦 (中公新書)

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目次
はじめに
第一章 反乱への序曲――西郷隆盛の下野
第二章 蹶起
第三章 熊本城籠城戦
第四章 田原坂の戦い
第五章 九州各地での転戦、そして終戦
第六章 西南戦争下の次なる抵抗
終章 西郷伝説と託された理想
あとがき

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