『中世史講義』(高橋典幸/五味文彦/ちくま新書) ― 苦手だった中世史を照らす光
こんばんは、扇町みつるです。
ちょっと時間がかかりましたが、やっと読み終わった『中世史講義』(高橋典幸/五味文彦/ちくま新書)。
とっつき辛かった日本中世史
日本史の中世の時代というと、皆さんは何が浮かぶでしょうか。
私は、武士、鎌倉幕府、守護地頭、鎌倉仏教、勘合符、蒙古襲来……。こんな感じでしょうか。
学生時代の日本史の授業では、源頼朝が鎌倉幕府を開いて(当時は大体このあたりからが中世)北条氏が実権を握り、蒙古が攻めてきて神風が吹き、守護地頭(このあたりでごちゃごちゃになる)が○△□◇…。テストで単語埋めるのがやっとでした。
何が分かり辛いかって、平安時代まで政治を行っていたのは朝廷だったのに対して鎌倉時代以降、つまり中世は武士が台頭して政治の実権を握り、統治の機構が複雑になったことです。
荘園制などの土地制度についても、もともとあまり得意じゃなかったところに、武士による統治が被さってきて、ごちゃごちゃになってしまったのですね。
学校で習う日本史のテストは基本的に単語や年表の暗記が中心だったので、覚えるべき単語がぐっと増えるのと、統治の制度が複雑化してきてボーっと授業を聞くだけでは私の頭では理解しづらくなってきたあたり、それが中世のあたりだったのです。
そういうことがあり、守護地頭、在地領主なんて言葉が並ぶと、「あー!訳わからんわー!」となってしまっていたのでした。
点から面へ誘った『中世史講義』
そんな私の中世史に対する認識ですが、その他は、大河ドラマのイメージというか記憶ですかね。「太平記」の高師直を演じていた柄本明さんや北条時頼を演じていた渡辺謙さん、北条時宗を演じていた和泉元彌さんが浮かびます。はい、それだけです。
武士、鎌倉幕府、守護地頭、鎌倉仏教、勘合符、蒙古襲来、柄本明、渡辺謙、和泉元彌。中世史で浮かぶものを挙げよと言われたらそれくらいしか浮かびません。
単語(点)でしか認識出来なかった程度だったのです。
そんな私がもう少し広いイメージ(面)が出来るようになりました。
カバーに書かれている、
平坦な歴史叙述ではなく、政治・経済・外交・社会・文化など十五の重要ポイントを押さえる形で中世史を俯瞰する。
の通り、様々な角度から掘り下げられていたので、全て何でも分かるようになったわけではないけれど、たとえば「鎌倉幕府」という単語だったら、鎌倉幕府がどんな流れで支配地域を広げていったかとか、「勘合符」だったら、室町幕府は具体的に明とどのように貿易をしたのかなどが、なんとなく見えたような気がします。
全体的には私の頭のレベルにはちょっと難しい本だったと思います。
でも、単語だけの認識しか出来なかった状態から、掘り下げてイメージ出来るようになっただけでも、本書を読んだ大きな収穫だったと思いました。
Amazonプライム会員は送料無料!
令和元年、私はここで、生きている
こんばんは、扇町みつるです。
元号が変わりました。
昨日はなんだか大晦日じゃないのに大晦日のような感じの気分になり、年越し蕎麦こそ食べなかったけど、普段飲まないのにビールで乾杯なんかしちゃったり、プチ年越しといった感じでした。
※元号またぎ御朱印
元号は変わったけど、私自身はというと、昨日と比べて極端に太ったわけでもなく痩せたわけでもなく、シワやシミが増えたわけでもなく、かと言って減ったわけでもなく…。
昨日と同じです。
(あ、でも白髪を見つけてしまいちょっとショックでした)
せっかく元号も改まったから、心を入れ替え心機一転!
などと思っても、やはり相変わらず自分の中に軸みたいなものが無いなと漠然とした不安を抱えています。
そうそう人間、簡単には変われません。
でも、生きていかなきゃいけない。
令和に来られなかった親友のためにも、不安定で不完全で不確実であっても、それなりに生きなければいけないのです。
読書をする中で、何か光明が見えればいいなと思いますがね。
これからも自分なりのペースで生きていきます。
「実践!東大読書」シリーズは先日の記事で終わりにします(時間的な厳しさを感じたため;;)