読書の動機 ― コミュニケーションとは

こんばんは、扇町みつるです。

コミュニケーションが苦手

私はコミュニケーションがあまり得意ではない。なので会話に関する本を、まだたくさんというわけでもないが、いくつか読んだ。

それは、もちろん己のコミュニケーション力を少しでも上げるためもあるが、「人の振り見て我が振り直せ」ではないが、私より輪をかけてコミュニケーションに難がある人を見てしまったからだった。

今回は少し昔話を致します。

自分語りしか出来ない男

数年前、昔ミリタリーを齧っていた時に軍装コスプレをやっていたサークルのリーダーと再会した。

その人は優しくていい人で今も独身だったのでちょっと「おっ」と思ったんだけど、話をしてみたら悪い意味で昔と変わってなくてただ延々と勲章と軍装画像を自慢するしか出来ないだけのおっさんになっていた。

約二十年ぶりの再会なのだから、今はお仕事とかは何してるの？とか、人生の悲哀みたいなのも含めてお話したかったんだけど、本当に延々と勲章&軍装&ウルトラマン&宇宙戦艦ヤマトの話を聞かされただけだった。

こちらが無理矢理何か別の話を振っても、何やらモニョモニョと言ってからまた勲章&軍装&ウルトラマン&宇宙戦艦ヤマトの話に戻る。そんなことを何度か繰り返してるうちに昼間が夜になっていた。

滞在していた店はその人御用達のガストだった。ではそろそろとなった時に、その人はスマホの電卓で丁寧に割り勘料金を計算してくれた。

そして、私から割り勘分の現金を回収し、Tカードのクレカでお会計をした。正直な気持ち「ちっせー男だな」と思った。いや、このご時世、いくらアラフォーの私の更に5歳以上年上で、バブル期に就職してた年代であっても、奢らせるのな筋が通らない。
しかし、レジで別会計で支払えばよかったと軽く後悔した。

問題は店を出てから駅までの道のりだった。手でも繋ぎたいオーラを感じたのだが無視して歩いていた。そうするうちに何組かのカップルとすれ違った。
その時その人が言ったのは

「リア充爆発しろ」

は？

リア充になれそうなことを何一つしないで何言ってるんだコイツは。
「寝ぼけたこと言ってんじゃねーぞハゲ」
と言い返したかったのを喉元で必死に止めた。
※その人は実際ツルツルだった

人付き合いの大切さ

結局その人は、このウン十年間オタク付き合いしかしてこなかったのではないかと推察した。
世間話や雑談のスキルは何一つ育っておらず、私も趣味方面の繋がりであったのもあり、ひたすら趣味の自分語り。それだけしか出来ない人間になっていたのだ。

私としては、延々と勲章&軍装&ウルトラマン&宇宙戦艦ヤマトの話を聞かされ、こちらの話は何も聞いてもらえず、安ファミレスで一円単位まで割り勘、その現金を回収して新たな勲章を買うTためのポイントに替えられ、そのくせに「リア充爆発しろ」などと言い放ったのが正直とても腹立たしかったので、繋がってたSNSは全てブロックした。
もともとTwitterなんかはパクツイbotのリツイートしかしないような感じだったので未練もなかった。

そして、アラフィフといえる年頃までバツなし独身だった意味も分かった。
単純に食事代を奢れ云々ではない。
会話のキャッチボールの概念さえ無いところが致命的だと感じた。

その人はコスプレイベントやコミケで旧日本海軍の偉い人のコスプレをしている。
きっと、リアル生活での非モテ人生を忘れるべく、勲章や軍服で精一杯飾り立てているのだろう。
しかし、そんなハレも数時間の夢である。残るのはカメラロールに保存された己の「カッコいい」画像と、Twitterのいいねと、艦娘コスプレお嬢さんとの写真だけだ。
そしてまた、ケの生活の中で誰か捕まえては延々と自分語りをするのだろう。安ファミレスで。

私もそんなに偉そうなことを言えた義理でもないが、少なくとも人の話は聞いているし、むしろ聞き手に回っている方だ。

会計にしても、男女関わりなく、下二桁くらいのところは「今日は私が」「それならポイントカード出しなよ」と譲り合っている。